北の通り道

 

2001年10月9日(火曜)

午前6時

北海道に上陸して6日目となり、日々寒くなったのか?

それとも北東へと進んで来たせいなのか?

寒さで目覚める時間が段々と早くなって来た。

この分だと北海道に雪が降るのは早くなる事も考慮に入れなければならない。

だって車のタイヤはノーマルだからね!(^▽^;

寒い身体をさすりながらコンロに火を付けているけど、これってかなり危険な状況でやってます。

まず、車の中と言う状況ですぐ近くにはシュラフがあり、身動きが取れない中コンロ。

倒れたら火傷で済めばいいけど、最悪車が炎上と言う状況でコンロが赤々と燃えている。(真似しちゃいけないよ!)(^○^;

さて、コーヒーをすすりながら今日の朝の一人会議開始。

根室周辺地図 根室半島地図

 さて、今日の予定はまず国道44号線を東へと向かい、「茶内」(ちゃない)で外れて海側へ向かったら大人の情緒で有名な「霧多布岬」(きりたっぷみさき)へと向かう。

地図にある薄緑の道を進み、再び国道44号線に合流した後、人が行ける東の最果て「納沙布岬」へ行く。

その後は根室へと戻り、国道243号線を走って内陸部にある「摩周」(ましゅう)方面へと向かう、ざっくばらんな計画で遂行する予定。

 

 

午前7時

北海道上陸後まともに晴れた厚岸を後にして国道44号線を根室方面へと走らせ、茶内で右折してひたすら通りの少ない道を走る途中で休憩出来る施設があったので、いったんここで休憩する事にした。

ここは「霧多布湿原」が一望出来るビューポイントで朝の日差しが照らされて綺麗な景色を堪能出来る。

建物を見ると「霧多布湿原センター」と書かれており、湿原の観察する場所みたいだが、火曜日は定休日なので残念ながら見れないけど、ここには白鳥の飛来地として有名らしい、双眼鏡とか持っていないから肉眼では確認する事が出来ない。

(いやはや、北海道の風景はどうしてここまで広くなっているのが不思議な感じを受けました。)

 

 

午前8時

大人の情緒が溢れる「霧多布」に到着。

市内から「霧多布大橋」を渡り、山を登って行くと「霧多布岬」「アザチ岬」の二つの看板が出てきたので、先に「アザチ岬」を見に行くと、途中に大きな白い建物が現れたので見てみると、(名前忘れた)温泉がある事が分かり営業時間を見ると午前10時からと言うので岬巡りをした後だとちょうど良いと思いアザチ岬へと急いだ。

アザチ岬に到着したら誰もいません。

まあ、こんな朝早く来るのは僕位と思い、岬の方へと歩いて見ると目の前に「琵琶瀬湾」(びわせわん)が一望出来る。

真っ青な空と真っ青な海の上には漁船が出て何とも言えない光景だった。

 

(分かりにくいですが、この岩島の周辺で多くの漁船が出てました。)

アザチ岬で30分程見た後、霧多布岬へと移動開始。

 

 

午前9時

霧多布岬に到着と。

駐車場の近くに展望台が在るので見てみると、そこには思いっきり「霧多布岬展望台」と書かれていた。

「岬じゃないの?」と間際らしい展望台で少し時間を潰しつつ、本当の岬へはその先でした。(^▽^;

気を取り直して今度はちゃんとした霧多布岬に到着。

有名な場所だけあって、何台かの車が停まっている。早速車から降りて岬見学。

この霧多布岬は名前の通りに一度霧が発生すると海難事故が発生してしまう海の難所として知られている。

その為に、ここの灯台は灯台の光と一緒に、霧信号装置(霧笛)が設置されている。

岬の先端へと向かう途中で、記念写真の撮影を頼まれながらようやく岬の先端へとやって来た。

海の難所と言う位に目の前に大きな岩がある。これに船がぶつかったらひとたまりも無いだろう。

 

 

 

岬を見終えたら、待望の温泉へと向かった。

 

 

午前10時

霧多布にある温泉施設へとやって来て、温泉セットをリュックに詰め込んで中に入る。

施設はまだ出来たばかりみたいで、真新しい温泉施設が凄い印象に残り入浴料金は500円とやはり安い。

さて、お湯へと浸かる事にするとしょぱいと感じた。

どうやら海に近いせいか塩分が多少混じっているみたいで、ミストサウナ(霧サウナ、霧多布だから?)に入るとそれが余計に分かる位に塩分を感じてしまう。

一応露天風呂もあるけど、小さな作りで大人が5人も入れば満杯と言った感じだけども、お風呂全体はガラス張りでとても開放感がある温泉施設でした。

ここでゆっくりお湯に浸かった後、火照った身体を冷ましながらソファーに座る。

浮世離れしていたので新聞で情報を収集して1時間半を使って旅の疲れを癒してました。

心身共に完全リフレッシュした所で、一路東の最果の納沙布岬(のさっぷみさき)へと向かう。

 

 

午前11時30分

霧多布を後にして、道道142号線を海沿いに進むと北海道らしい風景が色々と見えて来た。

右手には太平洋、左手には牧草食べる牛や道産子(馬)も見える。

ここだけ時間が止まっている感じを受けつつ車はひた走る。

 

(こんな場所で寝てしばらく時間を忘れたいです。)

 

 

午後1時

根室の手前にある道の駅「スワン44ねむろ」に到着。

建物の目前には「風連湖」が広がり、建物の中から望遠鏡等が設置されているので、野鳥や白鳥が見れる。

もちろん僕も望遠鏡を覗いて見てみると、水面の上に野鳥が泳いでいるのを見れたけど、白鳥の姿を確認する事が出来なかった。

さて、ここで昼飯を取る事にしてレストランのメニューをみると、エスカロップなんて言う食べ物があったので試しに食べてみる事にした。

運ばれて来てビックリ!

ライスの上にカツが乗っていて「普通のライスカツではないか!?」と思うけどそれと一緒に野菜とスパゲティが乗ってボリュームがかなりある!

何とか食べきれて美味しかったです。

昼食を食べ終えて、再び車を根室市内を経由してルートを南側から納沙布岬へと向かう。

 

 

午後3時

北緯43度22分、東経145度29分、日本本土で人が立てる最東端の岬「納沙布岬」に到着。

車から降りると北東の冷たい風が身を削る様に吹き、完全防寒体勢を強いられながら海の方を眺めると、モヤがかかりながらも島影が見える。

北方領土の島影の一つ「水晶島」(すいしょうとう)が見えるけど、10秒も真正面を向いてられない位に風が吹き付けて息が出来ない。(

建物があったのでそこに避難する。

館内に入るとそこは北方領土に関する資料館で、入り口に入った所に北方領土返還記帳があったので私も記帳しておきました。

だって、旅行する場所が増えていいじゃない。(^○^;

さて、館内を見て回ろうかと思ったら、団体さんがドッと押し寄せて来たんだけど、外人さんの団体で何処かで聞いた言葉なんで、聞き耳を立てていると、「йелэ、、、、」。

「こっ!これはロシア語ではないか〜!」何故ロシアの方々が北方領土の見える、ここ納沙布まで来るんだろう?

「やはり、北方領土は同じロシアの方々も簡単に行けない土地なのか?それとも、この領土問題に関心があるのか?」と考えたけど、そんな感じは受け取れなかった。

だって思いっきり写真撮りまくっているんだもん!(

気を取り直して館内の2階に上がる。

そこは望遠鏡が設置されていて、覗いて見るとその先にはロシア軍の警備小屋らしい物が見えている。

こう見ているけど、後ろではロシア人が騒いでいる。もう何が何だかよく分からない。

展示の方は北方領土に住む動植物が展示されており、1Fの方には戦前の北方領土の様子が書かれており、色々と考えさせられた。

でもね〜ロシア人が騒ぎまくっているのが、今現在の状況なんです。(ToT;

 

再び外に出て見ると、海側に謎の物体等があるので近づいて見てみると、平和の鐘や、アーチ状のモニュメントがあり、驚いたのが平和の火と呼ばれる物で、確か広島や長崎にある平和の火を分けてもらったのがここにもあるそうです。

一通り見て道路の反対側に展望台があったので、早速登って見る事にしました。

「平和の塔」と呼ばれる展望台で入場料は払い(確か1000円前後)エレベーターで登って行くと、そこは360度見渡せる事になっており、硬貨投入式の望遠鏡で北方領土を見渡せる。

確かに一番近い水晶島まで約10キロだけど本当に近くて遠い島々だと思った。

色々な思いを感じながら、納沙布岬を後にした。

来た道は南側で結構民家が多かったが、反対側の北側のルートを行くと牧草地が広がっている。

 

 

(標識のある場所より奥には灯台もありますが、離れているのでパス。2枚目の写真は日本と北方領土をつなぐイメージのオブジェ)

 

納沙布岬から西ルートで行くと広大な牧場風景が広がっている。

2枚目の写真には道産子馬が放牧されてました。

 

 

午後4時30分

夕日に染まる中ようやく根室の街まで戻って来て市内にある公園で休憩する事にした。

園内はかなり広くなっていて、ジンギスカンが出来る施設もあり、驚いたのが園内にサイロが3基設置されている。

サイロを知らない人に一応説明しておこう。サイロとは牧草地で刈られた牧草を円形のサイロの上から入れて、下の方に潰された牧草をロール状でする物だと思った。

そんな公園でひとまずこれから行動を考える。

今日中に100キロ離れた「摩周」まで行くにしても2時間は最低でもかかると思う。

けれど、道の駅だと通って来た「スワン44」しかない。

明日の事を考えると、とても大変な行動を強いられると思い、今日は行ける所まで行き寝れそうな場所で寝るしかないと思った。

何だか段々凄い行動し始めると思いつつ、日のある内に移動距離を稼ぐ為に根室を後にした。

 

 

午後6時

国道243号線を走り続け、「別海町」(べっかいちょう)までやって来たけど、完全に日が沈み辺りは完全に闇に支配されてしまっている。

何処か車を停められないかと探していると、国道が途中で左手に折れている場所に駐車場があったので、今夜はここで宿泊する事に決定!

一応、トイレと照明が完備されて居るので問題無し!

周りを見ると一台のワゴンが止まっており、どうやら老夫婦で車の中で寝泊りしながら旅をしているみたい。

その老夫婦は夕食の準備をしている。

こちらも負けじと夕食の準備に取り掛かる。(何を争っているんだか。)

食事は肉野菜炒めを作り、ご飯も簡単なレトルトで作って決して贅沢な食事では無いけど、外で冷たい風に当りながら星空を眺めて食べるのもおつです。

今日もハードに動き周ったので早めに就寝。

 

 

1日の走行距離210キロ

 

 

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