北の通り道

2001年10月8日(月曜)

午前7時

早起きにも慣れて来たと言うより、段々寒くなって目が覚めてしまう。

昨夜は意外と車で寝泊りしている人が多かったけど、僕が目覚めるのが遅いのか?

ほとんどの車が居なくなっていた。

朝の身支度と車の窓に付いた水滴を落とし出発の準備を整え、定例になった朝の一人会議開始。

釧路湿原全体地図 シラルトロ沼周辺地図

左の地図は釧路湿原全体図、右はダートコース

 一路釧路方面へと向かい道道53号線を北上して「釧路湿原展望台」で湿原を一望した後、「細岡展望台」に行こうと考えたけど一度釧路市内を経由しないと行けないと分かり、他に道は無いかと地図を見るとそのまま北上して何とか行けそうな道を発見。

その「細岡展望台」に行った後は、「厚岸」へと向かい美味い牡蠣でも食べて観光する事にする。

厚岸周辺地図

厚岸に向かい、「愛冠岬」を見て、ラストの「涙岬」へと向かった後に、道の駅「厚岸グルメパーク」で就寝するプランを立てた。

いざ!5日目の北海道を楽しむ為出発!(^O^/

 

 

午前8時

問題も無く、「釧路湿原展望台」に到着。(簡略化しすぎ!)

僕の他に何台かの車が停まり湿原を見学するみたいで、何故かゾロゾロと一緒に移動してしまう。(((((((((* ̄▽ ̄*)

展望台の施設には2階からも見れるらしいが、料金を取られるので「どうしようか?」と考えていると「遊歩道」と表示されていたので、看板を見ると注意書きされており、一般的な注意書きと一緒にこんな事が書かれてました。

「最近、熊が確認されているので一人で遊歩道に入らないで下さい。」

木道を抜ければ釧路湿原を見渡せるらしいが、熊となれば話しは違って来るけど、「他の人と一緒なら大丈夫だろう」と考え辺りを見渡すと、他の人は先に遊歩道へと入って行ってしまった!

「しまった!」(

辺りには誰も居ないけど、「湿原を見たい!でも熊は怖い!」と考えつつ、一つの結論を出した!

湿原を見に行く事に決定〜!(((((((((* ̄▽ ̄*) 〜〜♪

全長4キロと少し長いが、遊歩道の入り口へと入って行く。

森に覆われた遊歩道をひたすら歩いて階段をおりつつ、つり橋を渡って2キロ地点で目の前の視界が広がった。

釧路湿原が広がっていて凄い景色だ!

 

 (写真と現実に見た風景はやはり違います。)

再び遊歩道を歩き駐車場へと戻って来たけど、本音を言うとかなり怖かったです。

途中でもし、熊でも会っていたらどうなる事か?

展望台を後にして53号線を北上しする事にした。

 

 

午前9時30分

53号線を北上していると、「塘路湖」(とうろこ)の標識があったので地図を確認すると道が表示されていないが、先の方を見ると何だか行けそうな予感がしたので、その道を進んで行くと山道と変わり少し嫌な予感を感じながらさらに進んで行くと、2台の車が路肩で停まって地図を見ている。

その先には道がある事はあるがダートになっている。

少し不安を感じつつ突き進む事に決定。

乗っている車は本来この様なダートは得意ではないけど、何とか走る事は出来る。

途中、調子に乗ってスピードを出すと後輪が滑ってドリフトしてしまった。(*^□^*;

(釧路川には道から外れると降りられます。近道のダートコースは砂煙を立ち上げドリフトしてました!)

道の脇には川が流れており、所々にカヌーの為だろうか川に降りられる坂があった。

走る事15分で目の前に線路があり、それを渡ると国道391号線に合流している。その横に「サルボ展望台」とあったので、そこに立ち寄る事にして車を停めた。

 

 

午前10時30分

サルボ展望台の駐車場に車を停めたけど、本当に小さな駐車場で全部で5台入ればいい方。

とりあえず、案内表示に従い急坂を5分程登って行くと山の上へ到着。

そこからさらに3分程歩くと木で作られた展望台が姿を表した。

メジャーな展望台ではないのか?僕以外の人の姿は見えない。

早速展望台に登り景色を見渡すと絶句してしまった。

 

 (左から:1枚目は山側の紅葉風景、2枚目は釧路湿原、3枚目は塘路湖の景色が一望できます。)

しばらくすると二人の男性が展望台へとやって来てた。

挨拶を交わした人がタクシーの運転手で一人の男性を案内している最中なのが分かった。

運ちゃんは観光客に説明をしているので、自分も便乗して説明を聞いてました。(*^□^*;

サルボ展望台を後にして車へと戻り、少し隠れた展望台を発見した気分で「細岡展望台」へと車を走らせた。〜〜〜(* ̄▽ ̄*)=◎

 

 

午前11時30分

国道391号線を南下すると、細岡展望台の案内標識があり道を外れて行くと、またもやダートコースがあり悪戦苦闘してようやく細岡展望台に到着。

やはり有名な展望台だけあってかなりの車が停まっている。

早速展望台へと足を運ぶと、途中にひらけた場所があったので「着いた〜!」と思ったが、その先が展望台になっているのでさらに進む。(T T)〜〜〜

そんな広くない場所が展望台になっているが、ここは人でごった返した状態でゆっくり湿原を見られる状態ではなかったので、簡単に見て先ほど広い場所へと戻って来た。

とにかく人込みが嫌いなので、ここなら落ち着いて釧路湿原を堪能できるのでしばらく悠久の湿原を眺める事にした。

 

(展望から外れた場所から撮影)

 

駐車場へと戻り、一路釧路市内経由で「厚岸」(あっけし)へと車を走らせた。

 

 

午後13時

厚岸市内の手前にある「厚岸望洋台」で一休みした後に地図を見て再び移動開始。

ほどなく道の駅を発見!今夜の寝床はここになるので場所を確認しつつ、次の目的地へと移動開始。

 

 

午後13時45分

国道から外れて123号線(別海厚岸線)に変わり、厚岸大橋を渡り標識通りに進むと愛冠岬(あいかっぷみさき)に到着。

駐車場から歩いて10分位で岬へと到着。

厚岸湾と太平洋を見渡せる断崖絶壁で壮大な景色が広がっており、左の方へと目を向けると「大黒島」が見える。

この島は戦時中、軍艦を隠していたそうです。

岬の先端には鐘が取り付けられており、訪れる人が鐘を鳴らすけどこの岬の名前の通り愛をはぐくむ場所としても有名らしいが、今の私には関係なかと!(

さて、次の場所へと移動となるが昼飯を食べていない事に気づき(気づけよ!)

何処かで食べられないかな〜と車で走っていると、「厚岸牡蠣祭り」なんてものをやっているので立ち寄り、有名な厚岸の牡蠣を堪能。( ̄▽ ̄)

食事を終えて123号線を東へと走ると、「あやめヶ原」なんて場所を発見したけど、花のあやめが群生してるらしいが時期が外れているのでパス!

そのまま走ると「涙岬」に到着。

 

 

午後3時30分

涙岬に到着したけど、駐車場には一台も車が停まっていない。

訪れる人は少ないが、今回の旅で一つの目的の場所なのである。

その原因はあるゲーム内でこの場所の写真が出て来て、「行きて〜!」と心底思った場所のひとつ。

早速車から降り、岬の方へと続く遊歩道は、熊笹の草原が広がり海からの風で笹の揺れる音がする。

10分程で突然大地が割れて断崖の下には真っ青な海が現れる。

断崖の先端まで遊歩道が続いているので歩いて行くと、右手の岸壁にアイヌ女性の顔が浮かび上がっている。

 

(中腹辺りに小さな出っ張りがあるのが鼻ですが、この写真では逆光で細部まで撮影できませんでしが、実際には目とアイヌの方が額に巻いている布模様まで出てました)

 ここにも由来があるのでお話しします。それはそれは悲しいお話しなんです。

「昔、昔、厚岸の若者と霧多布の娘が恋に落ちました。

二人はそれはとても仲が良く、愛し合っていたのですが、互いの身分が違う為、必然的にそれは忍ぶ恋になったのです。

しかし、幸せだった日々もつかの間の事、周囲に二人の交際を知られてしまい、若者と娘は身分の違い故に仲を引き裂かれてしまいます。

離ればなれの毎日に耐えられなくなった若者は船を出して離れた場所に住む娘の元へと人目を忍んで通うことになりました。

若者は船乗りで、いつもの船で漁にこぎ出していましたので、海を渡ってこっそり娘に会いに行くことなど造作もないことだったのです。

ところがある日、若者は嵐にもかかわらず船を出しました。

いつもの様に愛しい娘に会いに行ったのです。

しかし、嵐はひどくなるばかりで、霧多布の娘の元にはいつまで待っても現れませんでした。

娘は家をとび出してこの岬に来て、そしていつまでも若者の名前を泣きながら叫び続けました。

幾日も幾夜も。

やがて、若者を待ち続ける娘はそのまま岩になり、いつまでも来ない若者を想って涙を流し続け、若者は立岩になって、少しでも娘に近づこうとした悲しいお話しです。」

「うっ、うっ、なんて悲しいんでしょう。」看板を見ながら涙を浮かべてつつ(笑)、しばらく娘の形をした岩を眺めて「立岩って?」不思議に思い、来た遊歩道を戻ると途中で別れたもう一つの遊歩道があったので進む、熊笹に覆われて歩きづらい中ようやく視界がひらけると立岩が海の真ん中に立っている。

 

(海の真ん中にある岩が立岩です)

ここは久々のHITと言う位「凄い!」一言で、思わず鳥肌が立ってしまう場所でした。

 

 

 午後5時30分

辺りが暗くなって来たので厚岸にある道の駅へと向かい、寝る準備を整えて建物の中にあるレストランで夕食を取る事にした。(最近、横着しているな〜。)

食事はもちろん牡蠣メニュー♪

食事を終えて車に戻ると、隣の駐車部分にテントが貼られていてビックリ!

「う〜ん、コンクリートの上だと風で飛ばされないのか?」疑問に思いつつ、自分の車に乗り込み道具の点検をしていると、旅に必要不可欠のデジカメの電池が切れていた。

これでは旅の思い出が撮れない!

一応、コンパクトカメラを持って来たけど、まだデジカメの容量にかなりの空きがあるので町の電気屋で探せばあると思い、厚岸駅前へと徒歩で移動して探して見るが、多くの店がすでに閉店の準備をしており、嫌な予感がして電気店を発見したが予感が的中!

地方の店は閉まる時間が早い事をすっかり忘れていた。

皆さんも旅先で何か必要な時は、最低でも午後6時まで用事を済ませましょう!

それと考えたが、デジカメの電池って特殊な作りをしているので「簡単に見つからないのでは?」と疑問を感じたので、車に戻り地図を見て大きな街を探して、釧路はかなり大きな街なので、量販店とかも見かけたけど、店が開くのは午前10時だとすると時間にロスが出てしまうので、この先で大きな街と言うと、「網走」位しかないと分かりデジカメはしばらく間休息してもらう事にして、明日からは今まで愛用していたコンパクトカメラを片手に旅をする事にした。

(後日談、付属のデジカメ電池は充電式で、別に単3乾電池で代用できる物でした。)

 今日はここまでにして就寝。

 

 1日の走行距離240キロ

 

 

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